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神武の杜から⑥大河ドラマ
2017-08-22
宮崎神宮社報「養正」148号~平成29年正月号より~
再来年のNHK大河ドラマの主人公が、西郷隆盛に決定したことが九月八日に発表となった。平成三十年が明治維新百五十年にあたり、まことに相応しい主人公と思う。原作は作家・林真理子氏の「西郷どん!」で、脚本は中薗ミホ氏が担当するという。「敬天愛人」を唱え、明治維新の大功労者であった。その「大西郷」と称されている英雄の人柄と包容力、その武勇を女性の視点から如何に描くのか期待したい。
ところで、宮崎は大河ドラマと無縁の県のようである。ドラマ化に相応しい事蹟を遺した人がいないか考えて見た。日本を代表する外交官となった小村寿太郎はどうか。日本海軍の初代軍医となった高木兼寛もいる。「児童福祉の父」と称される石井十次や、放浪の歌人・若山牧水もいるが、未だ時代が若すぎる感もなしとしない。それでは天正遣欧少年使節として海を渡った伊東マンショはどうか等々。
否、一人大物がいらっしゃった。それは、宮崎神宮のご祭神「神武さま」である。故事によると、天皇は日向の地にご誕生となって、御年十五歳にて皇太子に即かれた。ところが当時の日本は未だ豪族が群雄割拠する戦乱の時代であった。そこで天皇は皇威を広めようと志をたてられ、四十五歳の時に都を中央に遷すべく宮崎をご出発になられたのだ。そして皇兄三人を失うなどの苦難の末に、日本を平和な秩序ある国家にせられ、大和橿原の地にて初代天皇の御位に即かれた。この「神話」とされる物語によって、日本の「建国記念の日」(二月十一日)は制定されているのだ。
かつて、神武さまを採り上げてほしいとNHKに陳情したことがあったという話を、宮崎神宮責任役員よりお聞きしたことがある。神話の国・宮崎ならではの企画であったが、当時の会長より「時代考証が難しい」と、やんわり否定されたとのことであった。
神話の長編ドラマ化は容易ではないが、放映技術は日進月歩である。海外では、神話や建国物語を題材とする壮大なドラマが多数映像化されている。国民に親しまれている日本神話が、いつの日かドラマ化されることを期待したい。
(A・K)
 
 
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