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宮崎神宮献詠短歌会8月優秀作品
2012-09-02
宮崎神宮献詠短歌会8月の優秀作品をご紹介いたします。
8月兼題「花火」 選者 堀家博子
天 わが窓に見ゆる花火は欠けておりビルの狭間に鋭く光れど
宮崎市 川口 末子
宮崎市 川口 末子
(評)夜空を彩る打上げ花火は遠くからも見えて夏の風物詩であるが、市街化が進み建物がビル化してきて視界が閉ざされるようになるのは口惜しいもの。「わが窓に見ゆ
る花火は欠けており」と捉えたこの歌にドキッとして味わった。下の句の「ビルの狭間に
鋭く光れど」もよく纏まっている。余計なつぶやきも不満も言っていないけれど、共感
できるし、作者の思いが痛いほどに読み取れて、短歌は斯くあるべしと教えられた。
地 被災地の復興を祈るハート型の花火は関門の海面照らせり
熊本市 松山 浩一
熊本市 松山 浩一
(評)東日本大震災の復興を願いイベントのさまざまな機会を捉えて支援活動を展開し
ています。これは関門海峡の花火大会に遭遇しての感動を詠まれた作品。「ハート型
の花火」というフレーズから想像をかきたててくれます。一首整っていますが、「復興
祈りハート型の」より「復興を祈るハート型の」と助詞を入れたいと思いました。
人 病む友とつばな取りした土手に来て遠くの花火肩よせて見ぬ
清武町 合田 重子
清武町 合田 重子
(評)つばなの「」は外してもいいと想いました。病気がちな友を誘って遠花火を見てい
る二人。戦後の頃でしょうか。つばなを採って野遊びをした土手に肩を寄せて時間を
共にしたお二人。「遠くの花火肩よせて見ぬ」に籠められた心情まで伝わって来る友情が羨ましいほどです。どうぞお健やかにと祈ります。漢字だったら茅花・・
この他にも多数の作品が寄せられております。
尚、9月の兼題は、「刈田(かりた)」です。興味のある方は、ご連絡下さい。
宮崎神宮献詠短歌会 担当 須田