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神武の杜から⑤伏見稲荷大社と車祓所
2017-03-14
宮崎神宮社報「養正」145号~平成27年初夏号より~
 
 
 
宮崎神宮社務所の南側に車祓所はある。
交通安全祈願のため新車等をお祓いするお社である。祝祭日には二十件を超えることもあり、その信仰は篤いものがある。
ところでお社の竣工は、昭和四十二年十月二十三日のことであった。高度経済成長と相俟って、自動車利用の急激な増加に伴う交通事故の防止を祈念し、宮崎トヨタ自動車販売KK社長日高安壮氏他関係者の奉献により、二百万円を費やして建てられたという(「養正」第二号・昭和四十二年十二月十五日付)。
 
拝所の左側側面に奉献者のパネルが設置されている。トヨタをはじめとして、日産、ホンダ、マツダ、スズキ、スバル、三菱、日野自動車とあるように、市内に事業所を置いている全社協賛による建設となったのである。
 
なお、肝心のご祭神であるが、前掲社報によると「神武天皇と佐田彦大神(さたひこのおおかみ)」である。
 
神武天皇はいうに及ばないが、「佐田彦大神」とは余り馴染みがない。そしてこの大神を勧請すべく、当時の甲斐武教宮司が京都の伏見稲荷大社に参詣し、一夜参籠の上潔斎してご分霊を戴いたというのである。
 
伏見稲荷大社とは、全国に三万社ほどある稲荷神社の総本宮である。そして佐田彦大神こそは伏見稲荷大社の中社に祀られている神さまで、別名は猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)である。記紀神話の中では瓊々杵尊(ににぎのみこと)が天孫降臨される際の道案内をしたことでも知られている。まさに、交通安全の神さまとして全国で信仰されているのである。
 
ところで何故に、伏見稲荷大社から勧請したのか。
その背景には、昭和二十二年から三十一年まで宮崎神宮に奉職した坪原喜三郎の存在が考えられる。同五十七年には伏見稲荷大社宮司に就任して活躍した人で、平成二十一年三月に亡くなっている。
 
平成二十六年四月に職員旅行で詣でたが、もはや過去の経緯を知る人も殆どいなくなったようだ。その社史を伝えるべく、ここに改めて記録しておきたい。
(A・K)
 
追記 車祓所横の手水舎も同時期に奉納されています。
 
 
手水舎
 
 
手水鉢
 
 
奉献
手水舎 御一宇
手水鉢 髙岡町去川の産
天然の鉢となり排水の孔を穿つ大自然石
昭和四十二年十月吉祥日
宮崎マツダ販売株式会社
宮崎髙等工科学校
社長 校長 日髙市藏
宮﨑神宮
〒880-0053
宮崎県宮崎市神宮2丁目4-1
TEL.0985-27-4004
FAX.0985-27-4030
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