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浄明正直
2017-07-01
今年の梅雨入りは、おそらく御田植祭の直後だった。
しかしながら、なかなか雨は降らず、朝晩は妙に涼しく、日中の湿度も低く、
私の知る梅雨とはかけ離れた快適な日々を過ごしていた。
いっそのこと、このままが梅雨が明ければなどと淡い期待を抱いていたが、
やがて社務所の窓が曇る程の湿気、ジワッと滲みでてくるような汗、
まさに陰湿とはこの時期の為に生まれた言葉ではないかと思えるほどの
例年通りの風物詩がそこにはあった。
ところで、この時期の神社のまつりと言えば、夏越の大祓。
当宮では夕刻からの古神符焼納祭を終えて、引き続き斎行されるものである。
この流れは大晦日と同じなのだが、まとわりつくような蒸し暑さのなか、初詣を直後に
控えた慌ただしさのない、どこかのんびりとした空気のなかで斎行されるまつりに、
同じ性質のまつりでもこうも雰囲気が違うものかとつくづく思ったものだ。
ちなみに、この夏越の大祓。
半年間のうちに、知らず知らずのうちに犯したり、触れた罪や穢れを祓うものである。
”知らず知らずのうちに”
この正直さは、日本人が持ちうる他に誇れる性質の一つであり、おそらく当宮の
まつりで最も参列者が多いように見受けられるのも、そういう理由からであると思う。
大祓式の後には茅の輪くぐり神事。
親に手を引かれたり、抱っこされながら気持ちよさげに眠る子供、海外の方、
学生さん、そう言えば妊婦さんも目にした。
老若男女、皆がそれぞれの半年を過ごし、同じ思いでお祓いをし、
気持ちを新たにそれぞれの生活に戻っていく。
人と人の生活の間に存在する「まつり」というものを、実感できるひとときであった。
本日は晴天なり。
ひさびさに浴びる太陽の光、森の奥では蝉が鳴きだした。
平成29年の後半開始の本日は、一気に夏が訪れたような日となった。
皆が充実した清々しい日々を過ごされ、半年後の大晦日の大祓には再び
笑顔でご参列いただければ良いなと思う。
半年後と言えば、あの妊婦さん。
赤ちゃんが現世に生まれているかも。
これから益々暑くなると思いますが、ご健康に十分ご留意されまして、
元気なお子さまのご誕生を心からご祈念申し上げます。