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共々に
2017-07-14
去る7月5日~6日にかけて九州北部地方は豪雨に見舞われた。
川が氾濫し、街中に水が溢れ、膨大な数の流木の映像を目の当たりにした。
こんな時、職業がら思うことがある。
その地に鎮座する氏神さまは大丈夫なのだろうかと。
テレビに写るヘリコプターによる上空からの映像の中に、
たまたま前後に二つ並ぶ屋根を発見した。
間違いない、これは氏神さまだ。
周辺の山は崩れ、神社を取り囲むように水が流れていたが、
社殿は無事のようであった。
安堵する反面、複雑な気持ちになる。
氏神さまはご無事だが、氏子区域が甚大な被害を受けている。
神様は一体何を思われるのだろうか。
昨今では、多発する自然災害により各地域に大きな被害がもたらされているが、
もともと日本は地理的、地質構造、気象条件から自然災害に対し非常に脆弱である。
もともと日本は地理的、地質構造、気象条件から自然災害に対し非常に脆弱である。
しかしながら、過去の災害の記憶は時代の経過と共に風化し、さらには連綿と受け
継がれてきた災害に対する教訓は徐々に形骸化しつつある。
古来日本人は自然を支配、あるいは自然に服従するわけでもなく、神社、祭を通して
自然と共存共栄し独自の文化を紡いできた。
この自然との営み方は自然環境、生活様式が如何に変化しようとも決して忘れては
ならないもので、神道の根源を為すものである。
当宮では去る7月10日、例年通り除蝗祈願祭を斎行することができた。
文字通り、日本では稲を食べる害虫とされるいなごを除く祭、つまりは害虫による
影響をはじめとして、悪しき風、荒き水による被害に遭わず秋の実りを祈る祭である。
祭典中に、あの豪雨に見舞われた九州北部地方の、とある光景を思い出した。
田植えを終えた田んぼが大量の水で溢れかえっている光景だ。
いつ、どこで起こってもおかしくない自然災害。
もとより人の力では為す術の無い自然に対して、人々に与えられたのは祈りであり、
地域の人々が祈りを捧げる場こそが神社である。
宮崎県では梅雨明けが宣言され、いよいよ夏本番へ。
各地域では賑々しく夏祭が斎行される。
是非足を運ばれまして、地域の安寧を共々にお祈りいただければと思います。
宮崎神宮御神田