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稲子
2021-07-10
午前10時より除蝗祈願祭を執り行ひました。
古来、わが国では稲作文化が盛んで稲作の無事を祈り、様々な祭祀が営まれてきました。
本日の「除蝗祈願祭(じょこうきがんさい)」もその一つであり、稲の生育に害を及ぼす害虫から稲を守ることを祈るものであります。
ご承知のとおり、「蝗(いなご)」は稲を食ふ虫のことであり、「稲子」とも書くさうです。
昨今では早期水稲が主流のやうですが、祭はあくまで普通水稲に伴ふものであり、当宮では旧来通りに執り行ってゐます。
何故に7月10日かといふと、病害虫が発生しやすい時期であることは当然のことながら、地区全体の田植えを終へたこの時期に、住民挙って氏神さまへお参りし豊穣を祈り、互ひに労をねぎらふこと風習にも由来してゐるのかもしれません。
本日は線状降水帯が発生し、当県西部山沿いや鹿児島県の一部の地方にて予報を上回る大雨となり、甚大な被害がでたさうです。
被害に遭はれた方々に謹んでお見舞い申し上げます。
自然環境の変化により、このやうな事例が多発する昨今ですが、我々は祭を通して祈りの意義を改めて認識すべきではないでせうか。
皆様の祈りのもとに、実りの秋がおとずれますことを心よりご祈念申し上げます。