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2月献詠短歌会優秀作品
2012-02-16
宮崎神宮献詠短歌会2月の優秀作品をご紹介いたします。
2月兼題「椿」 選者 堀家博子
天 冬枯れの狭庭に赤き肥後椿手触れて偲ぶ植ゑにし汝(なれ)汝を
宮崎市 榊田キミヱ
(評)一首を読みくだすと肥後椿が咲いている庭の雰囲気がよく伝わってき
て花に触れることで汝の面影を偲ぶ作者の心情がしみじみと無理なく
表現できた。結句は「植ゑにし汝を」として「なれ」と仮名をふる方が
優しくなるのではと思う。
地 疾風(かぜ)疾風止みし朝の歩道に乱れ散る紅き椿の息絶えしごと
宮崎市 川口 末子
宮崎市 川口 末子
(評)咲き終えて潔く散る椿は古くから人々の好む花とされて来たが、
落ち椿は詩歌にもよく登場する。結句「息絶えしごと」の比喩に
賛否あると思うが、風の止んだ散歩道に散ったばかりの椿の花
の瑞々しさ、美しさに眼を止めて感じた作者の感性が伺える。
人 絵手紙に椿を描き春を待つ窓の外にはこがらしが吹く
宮崎市 梅﨑まゆみ
人 絵手紙に椿を描き春を待つ窓の外にはこがらしが吹く
宮崎市 梅﨑まゆみ
(評)厳しい寒さの続く二月は家に籠もりがち。絵手紙を得意としている
作者は籠もって絵手紙に集中しているのでしょう。一首に椿の絵が
浮かび、いい趣味をお持ちだと思います。上句と下句をひっくり返した
構成にしてもよいと思う。
この他にも多数の作品が寄せられております。
尚、3月の兼題は、「木蓮(もくれん)」です。興味のある方は、ご連絡下さい。
宮崎神宮献詠短歌会 担当 須田