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宮崎神宮献詠短歌会3月の優秀作品
2012-03-18
宮崎神宮献詠短歌会3月の優秀作品をご紹介いたします。
3月兼題「木蓮」 選者 堀家博子
(天) 追悼のミサの遺影に供へられし白き木蓮に友の偲ばゆ
宮崎市 徳永さち子
(評)ミサはカトリックの敬虔な儀式、追悼とあるので友の葬式に参列したときの歌と
思われる。遺影の前に供えてあったのはその季節の花、清らかな白木蓮であった。
作者はその花に友の在りし日を重ねて偲び、しみじみと詠んだ一首である。
(人) 早春を競ひてひらく白木蓮空に向かひてグウ、チョキ、パーと
宮崎市 宮内 功子
(評)沢山の蕾が空に向いて咲くさまを、グウ、チョキ、パーと表現したのが面白い。
そういわれて庭の白木蓮をよく見ると納得してしまった。軽いという意見があるかも
しれないが、新鮮でもある。こんな時は必ず連作で、しっとりと違った写生の歌も
詠むことをお奨めしたい。
(地) 人住まずなりにし家の荒庭に白木蓮は溢れ咲きおり
宮崎市 和田 洋子
(評)年老いて子と同居、或は病で施設へ入居など、閉ざした家も多い昨今である。
荒れた庭に白木蓮がま白く一斉に咲いている情景か。誰も住まず、荒れていく家に
荒れた庭に白木蓮がま白く一斉に咲いている情景か。誰も住まず、荒れていく家に
様々を考えさせられた作者だろう。庭にはまぶしいほどに木蓮が咲いているという
対比がかえって哀れを誘う。
この他にも多数の作品が寄せられております。
尚、4月の兼題は、「風(かぜ)」です。興味のある方は、ご連絡下さい。
宮崎神宮献詠短歌会 担当 須田