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宮崎神宮献詠短歌会4月優秀作品
2012-04-25
宮崎神宮献詠短歌会4月の優秀作品をご紹介いたします。
4月兼題「風」 選者 堀家博子
天 強風にひるむことなく流鏑馬の射手はどうどうと馬を走らす
宮崎市 紙﨑 裕子
(評)宮崎神宮西苑馬場での流鏑馬。今春は例年にない強い春嵐の中に催された
(評)宮崎神宮西苑馬場での流鏑馬。今春は例年にない強い春嵐の中に催された
様子。桜満開の馬場で古式豊かな伝統の流鏑馬の神事を春嵐の中で見学し
た作者の感動が無駄なく調子よく纏められていて整った作品。堂々と馬を走ら
せ、矢を的に放つ射手の場面や動きまでが生き生きと伝わって来る。
地 黙々と草食(は)食む岬の馬の背を雨もよふ風の吹き過ぎてゆく
宮崎市 友枝 清子
(評)先日のニュースに五月までには十頭の春駒が生れると報じていたが、長閑で
(評)先日のニュースに五月までには十頭の春駒が生れると報じていたが、長閑で
雄大な都井の岬で出会った情景と、自分も大自然に溶け込んだというひと時
の心情をうまく表現していると思う。春の定まらない雲行きや心地よい春の
風が織り込まれていて上句の岬馬の様子も今はやりの動画のようである。
人 一の矢を放ちし後の突風が流鏑馬射手の二の矢狂はす
宮崎市 黒岩 昭彦
(評)上の句の主題への導入が効いていて、簡潔に詠んだ一首であり、読者にも
(評)上の句の主題への導入が効いていて、簡潔に詠んだ一首であり、読者にも
勇壮な流鏑馬の雰囲気が読み取れる一首である。多分一の矢は的に命中
して紙吹雪が散ったのだろう。春嵐の突風に的を外れてしまった二の矢には
同情的な作者の思いも十分に伝わって味わえるし、臨場感あふれる作品に
なった。
この他にも多数の作品が寄せられております。
尚、5月の兼題は、「燕 (つばめ、つばくろ)」です。興味のある方は、ご連絡下さい。
宮崎神宮献詠短歌会 担当 須田